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緋月の空間 漆黒の心

緋月の空間 漆黒の心

ガフセ

バタバタバタ

「待て~!!誰かそいつを捕まえてくれ!!前に居る奴そいつを捕まえてくれ礼ははずむ!!」

「ダイヒ~いや~こんな事に成っちゃったごめんなぁ」

「ったく、何やってんだよ!やばいことに巻き込むな!!」

「すまん!!だから手伝って~?」

「謝るなら最初からやる…っな!!」

「なんでさぁ~ほいっ…僕が悪いって決め付けるかなぁ~とっ」

「今までそんな目にあっているからだ…何人いるんだ!!」

「単なるさぁ~この人等店の前にずーっと立ってるから一言邪魔って言っただけだよ!!」

「……またか?」

「ったく……もうめんどい!!ダイヒ!アレ使うからな!!」

どこから出したのか手に怪しげなビンを持ちながら言う

「オイ!!って遅かったか……」

呼び止める間もなくサヒルはビンを叩き割った。

ビンの中からは、この世の物とは思え無い様な色と臭いだった。

「いつも思うのだか何処から手に入れてくる?」

「それは企業秘密ってやつだよ!!」

パチパチ

「すっご~貴方は強いね!!貴方ガフセに入らない?多分貴方だったらガフセのトップクラスに入れるよ!!伝説の化学と剣術使いと言われた鎖火屡(さひる)さまと並ぶぐらいにね」

「……鎖火屡!?殺されたと言われている、あの鎖火屡かぁ」

「……あのさぁ鎖火屡って言えば別名、死者送りとか無情の殺姫って呼ばれてる人でしょ~僕さぁその人と同じ名前だから、会った人に挨拶すると何故か怯えられんの。それにガフセ大嫌いなんだよね~裏で汚い事してるのに市民の皆様の為とかほざいてるから~」

「失礼ですね!!ガフセはそんな所じゃ有りません!!入っても居ないのでそんなことが言えるんです!!」

「じゃ~貴女は……あっ!階級って月の名前だったよね~で、いくつ?勧誘担当してるって事はあんまり位は高くないって事だよね~」

「…如月です。って関係ないじゃないですか!!」

突然後ろの方から声がした

「サヒル……おちょくるのも程々にしなって可哀相だろこのお嬢ちゃん」

「ミヒル!!お前どこ行ってたんだよ」

「ヒル兄~おっかえり~~どうだった??聞けた?それと借りれた??」

「あぁ……まぁな…。ついでに宿も決めて置いたぞ」

「じゃ~案内して~~早く!!早くぅ~」

下を見てボソリと言った

「……また暴れたのか?実験するのも程々にな…捕まりたくはないからな!」

「………エヘッ!!」

「けっ気配が……気付かなかった……上からも褒められていたのに……」

「……ところでこのお嬢ちゃん誰だ?」

「ガフセで~ランクが如月~、そして勧誘担当~」

「…!?」

「…はっ!?あ・貴方もガフセに入りませんか!!貴方だったらガフセのトップに絶対なれますから!!2人とも是非入ってください!!」

「……俺は入る気は更々無い。」

「何故ですか!!」

「多分サヒルも言ったと思うが…俺もガフセが大嫌いなんでな」

「でも……」

「ヒル兄~今度はどんなんのにする~?あっでも材料どうしようか~どんなのがいい~?」

そう言ってサヒルはミヒルを引っ張って行った。

「すまない…何故なんだかあいつらはガフセを嫌っている。あの2人の過去は俺さえ知らない…過去にガフセと何かが合ったんだろうな」

「そんな………ガフセはいいところです……よ。」



幼かった僕は母に何時も言っていた。

「私、大きくなったらね、この゛ガフセ゛の為に戦って、父様の変わりに母様を護るの!!」

「そう……頑張って強く成ってね……」

その事を母に話すといつも悲しそうな笑顔で応援してくれた。

しばらくして僕は最年少でガフセのトップに成った。

幼い頃の目標だったからとても嬉しかった。誰にも言った事など無かったが今の生活が落ち着いたら、召集が無いときに研究員の母の助手として手伝いたかった。

だが、それは願うことが無かった。

落ち着くときには母は死んでいた。

母の死を知ったのは1年後だった。

実験中の事故だったらしい。

一人以外、ガフセでは僕と母とは親子と知られて居なかった為、母が死んだ事は知らせられなかった。

家に帰って母の部屋の物が何も無かった時は愕然とし、本当に母が死んだと実感した

ガタン

物音がした方を見ると、後ろから年若い男が話し掛けた。

その男の人には見覚えがあった。

幼い頃、母が忙しい時に遊んでくれていた母の助手で弟の魅火瑠(みひる)だった。
母とは16歳離れており僕の兄と言っても通じるほど年が近かった。

「鎖火屡……ガフセにはあの人と親子とは知られていないんだ、長く此処に居たらいけない」

「でも!!」

「…それに…しぃ…誰か来た。」

魅火瑠ははっとし、後ろきている人から鎖火屡を隠した。

後ろから見るからに厚化粧をし、年齢をごまかしている女の人が歩いてきた。

「あら?魅火瑠クンどうしたの?此処にはもう用はないでしょう?…あら?貴女…此処のトップの…鎖火屡ちゃん…たっだっけ…どうして此処に?魅火瑠クンとどう言う関係?」

「あっ…」

「実は…鎖火屡と俺は幼馴染なんですよ!!亡くなった時、任務に行っていたみたいで姉が亡くなったのを今朝聞いたらしく…だから…姉の…部屋を見たいと…。姉に懐いていましたから…。姉が住んでいた所を見せてあげたくて…。」

「そうなの…でも、もう此処に博士の物なんか何もないわよ…処分しちゃったみたいだから」

「そう言ったんですけど…」

「何も無いと判っていてヒル兄に頼んだの…。見たいって…。」

「そう…だけど用が済んだんだったら早く出て行って貰えるかしら?私たち忙しいの!魅火瑠クン行きましょう!!」

そう言うとその女の人は魅火瑠の腕を引っ張り歩き出そうとした。

「えっ…!?すみませんが…鎖火屡とまだ話す事があるので…色々聞きたいですし…家でまだ実験もしたいですし…所長に休むと伝えてくれますか…?」

「…判ったわ。所長に言っておくわ…だから、今度付き合ってね!!」

魅火瑠の頬にキスをして厚化粧した女の人は去って行った。

「あっ…」

「…叔父様はおモテになりますこと。」

「チャカすな!!」

「で?話したいことって」

「此処では話せない。俺の部屋で…」

「ねぇ…今日私、休みだからお墓参りしに行きたい…。何処にあるのかも知りたいし…。」

「…まずは、俺の部屋に来てくれ…。大事な話があるから…。」


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最新 05年11月05日


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